アデノウィルス感染症の後遺症で長期の視力障害を経験した

追記 (2021年12月): このエントリを書いた当初、1年経過時点では完全に回復しきったとは言い難くて、エディタのフォントサイズを16ptくらいにしていたのですが、3年たってようやく完全回復してフォントサイズを14にしました。長かった…。


アデノウィルスによる流行性角結膜炎という病気がありまして、これに保育園〜子供経由で感染した*1結果、しばらく視力障害になりました。

一年半経過した今はほとんど回復していますが、一番悪いときでメガネをしていても両目ともに視力0.1程度といった様相でした。これは角膜が濁っているので、目を凝らしたり近づけたりしてもはっきり見えたりはしません。この視力だと、ディスプレイを使った仕事はまともにできないし、スマホの文字を読むことすら困難で、日常生活にも支障がありました。この視力障害が重い状態が半年は続いて、そのあと1年くらいかけて徐々に回復したわけですが、けっこうつらかったなあという思い出です。

この視力が落ちている間はディスプレイの文字が読みにくくて、特に一部のサイトで薄く設定された文字がほぼ読めないレベルでした。今もそういうコントラストの低い文字は少し読みにくいです。視力測定で測れる範囲の視力は回復しましたが、まだ少し後遺症が残っているのでしょう。

そしてこのときに調べたのですが、こういう「コントラストの低い文字は読みにくい」という現象はアクセシビリティ界隈ではよく知られた事であるようです。たとえばコントラストについての測定方法や基準はW3CのWCAG: Web Content Accessibility Guidelinesとして標準化されています(WCAG自体はコントラストだけではなくアクセシビリティ全体を扱ってます)。この基準をテストするためのColor Contrast Checkerというツールもあります。当時いろいろ自分の眼で調べたかぎり、色のコントラストについてはこの基準を最低限満たすだけで「読めない、または非常に読みにくい」レベルのものが「ギリギリ読める」くらいになったのが確認できました。アクセシビリティを考えるときは気にすべきことがあまりにも広いので尻込みしてしまいますが、まずはMDNの色とコントラストあたりから初めるのでもいいのではないでしょうか。

ところで運が悪いことに、ちょうどこの視力障害を患っているときに運転免許の更新タイミングがきたため、視力検査をパスできずに免許を失効しました。運転免許の失効は、失効して半年以内であれば所定の手続きをすることで再取得できますが、半年以上経ってしまうとやむを得ない理由がない限りは非常に面倒な再取得の手続きが必要になります。

今回は失効してから視力が回復するまで半年以上時間が経ちましたが、一時的な視力障害は「免許の更新のできないやむを得ない理由」にあたるため、医師の診断書を添えて比較的簡単な方法での再取得となりました。とはいえ診断書をとったり免許センターで状況を説明したりなどしてめんどくさかった…。

https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/menkyo/koshin/shikko/index.html

*1:これ自体は仕方がないことだと思っています。そういうこともあります…。なおアデノウィルス自体はとてもありふれたものです。