家計口座用の家計簿アプリをマネーフォワードMEからZaimに乗り換えた

追記(2023/11/29): 2023/11/1からまたZaimでアメリカン・エキスプレスとの連携ができなくなりました: (11/2 掲載)アメリカン・エキスプレスの連携不具合について:よくある質問|家計簿アプリ Zaim。マネーフォワードではできているようです。困惑の極み…。とりあえずZaimのプレミアムプランは解約しました。


最近、我が家の家計のための家計簿アプリを、5年ほど使ったマネーフォワードMEからZaimに乗り換えました。今のところ、機能的には満足しており、かつこれまでできていなかった我が家の家計スタイルに合った家計簿の運用がようやくできるようになったので、大変満足しています。


もともとあった課題として、マネーフォワードMEは我が家の家計スタイルを実装していないというものがありました。我が家の家計スタイルは、別に特殊なものではなく、次のゼクシィの記事の「【2】お互いに、毎月定額を共同口座に入れて管理する方法 」にあたります。

共働き夫婦の「家計の管理方法」は全5パターン!ふたりに合うのは?|ゼクシィ

お互いに、毎月定額を共同口座に入れて管理する方法

【2】お互いに、毎月定額を共同口座に入れて管理する方法

例えばお互いに月収の6割を家計に入れよう、などとルールを決め、その中で生活費をやりくりする方法。それ以外は自分で自由に使えるお金として残すことができます。ふたりとも同等の収入を得ている夫婦の多くが採用している方法です。

家計簿アプリでこのスタイルを実装するには、いくつか方法が考えられます。パッと思いつくのは次のような2つでしょうか。

  1. 共有口座のために共有アカウントを作ることにして、アプリでは「アカウントの切り替え」を簡単にできるようにする
    • 利点: ユーザーにとって新しい概念が登場しないため操作が簡単(実装も簡単と思われる)
    • 欠点: 「家族の誰が操作したか」の記録ができない
  2. 共有口座や履歴を、複数のアカウント間で、個々人の家計簿とは異なる名前空間で共有できるようにする
    • 利点: 「複数人で共有口座・出納を管理」という家計スタイルを採用している人にとっては理解しやすい
    • 欠点: 仕様が複雑になる(特にこの家計スタイルを採用していない人にとっては)

重要なのは、「自分の家計簿は自分のアカウントで、家族の家計簿は自分のアカウントとは隔離された名前空間で管理する」ということです。家族といえども個々の独立した人間である以上、個人用の家計簿の全てを共有する必要はないのです。実際、1Passwordのファミリープランはまさにそのように実装されていて、個人パスワードは個人のvault(データを保存する際の名前空間)へ、家族と共有するパスワードは共有vaultで管理できます。

残念なことに、マネーフォワードMEはアカウント切り替えも口座の共有もできないため、我が家の「家計簿」を管理するのには不都合がありました。それでもいつか実装されるはずと思ってここ5年ほど騙し騙し使っていました*1。そしてミートアップや個人的に知り合ったマネーフォワード関係者に希望を伝えたり、フィードバックとして何度か意見を送ったりしてきました。しかし、最近のマネーフォワードMEの機能開発の様子*2をみていると、稼ぎの少ないtoCのサービスに今後大きなリソースは割かない方針ではないかと思わざるをえません。これ以上待っても改善は期待できないと確信してしまった以上、サービスの移行は必然です。

Zaimを選んだ理由は、多少なりとも縁のある会社であること*3、アカウント切り替えを実装済みであること、妻が以前はZaimユーザーだったので慣れていること、我が家で使っている銀行などの金融サービス全てとAmazonに対応していること、などです。

なお、我が家の家計簿はZaimに移行したものの、個人用の家計簿をマネーフォワードMEから移行するかどうかは決めていません。できればZaimに移行したいのですが、これまでの履歴を失うのはちょっとつらいなあと思っています*4

*1:私と妻がそれぞれ家計用の口座を個人のマネーフォワードMEアカウントに登録して「家計」グループをつくり、それぞれが自分のアカウントの中で「家計」グループを見ていました。当然カテゴリの共有はできないので、支出の正確な分類は長らく共有できていなかったのです

*2:具体的にはリリースノートなど

*3:旧Zaim社(現くふうAIスタジオ社)は、昔は一時クックパッドオフィスに間借りしていましたし、今もクックパッドからスピンアウトしたくふうカンパニー系列の会社です

*4:我が家の家計簿についてはこれまでの履歴を諦めましたが…