Emscripten & WebAssembly Night #8 で「AssemblyScriptでライブラリコードの高速化をしてみる」という発表をした

発表の機会をいただきありがとうございました。会場を提供していただいたメルカリさんにも感謝いたします。

「AsssemblyScriptはTypeScriptのサブセットだから実質TypeScriptを書くだけでパフォーマンスアップ!」みたいな言説をみるにつけ、「ええ〜ほんとか〜??ほんとにやってみて言ってるんか〜??」と思っていたので、小規模とはいえ実際にやってみて検証&考察できたのはよかったなあと。

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特に、最適化JITの効きずらい状況(たとえばスタートアップタイムの高速化)での高速化に寄与する可能性を示唆できたのは大きな発見です。V8チームの目下の関心事はスタートアップタイムのようですし(ただしJSのダウンロード&パースなどの時間も含む)、FacebookもHermes Engineという新しいJSエンジンを開発してまでスタートアップタイムを改善しようとしています。結論としては、いま着手する必要はなくて「まだ早い」になりましたが、WebAssemblyが今後注目の技術であることには違いありません。

ただ、少なくとも現状だと、AssemblyScriptを学ぶ意味はあまりないと思います。もし同じことをするにせよ、ランタイムの小さいCまたはRustが現実的な選択肢になるのではないでしょうか。今回のコードもAssemblyScripは捨ててRustで再実装してみようとは思っています。