Emscripten & WebAssembly Night #8 で「AssemblyScriptでライブラリコードの高速化をしてみる」という発表をした

発表の機会をいただきありがとうございました。会場を提供していただいたメルカリさんにも感謝いたします。 「AsssemblyScriptはTypeScriptのサブセットだから実質TypeScriptを書くだけでパフォーマンスアップ!」みたいな言説をみるにつけ、「ええ〜ほんと…

webpack v4.35.3 の JSON loader は JSON.parse() を実行時に行うコードを生成する

ちょっとまえに The cost of JavaScript in 2019 · V8 というブログが話題になりました。 このなかで次のように説明している箇所があります: As long as the JSON string is only evaluated once, the JSON.parse approach is much faster compared to the J…

graphql-ruby で MessagePack の timestamp 型を使う

GraphQL APIのシリアライザとしてMessagePackを使うとGraphQLのcustom scalar typeを活用したくなりますね。ということで、graphql-rubyの ISO8601DateTypeを参考にMessagePackのtimestamp型にシリアライズ・デシリアライズできるようにします。 これまでの…

msgpack-ruby に timestamp型を実装した

timestamp型というのは2017年8月にMessagePackに追加された型です。 frsyuki.hatenablog.com しかし、おそらくMessagePack開発元がtimestamp型を使っていないためか、長らく msgpack-ruby には実装されていませんでしたし、msgpack-java の実装もpull-reques…

GraphQLとMessagePackは相性がよさそう

MessagePackはJSONのようなデータをシリアライズできるbinary formatで、JavaScript実装である msgpack-javascriptを基準で考えると次のような特徴があります: JSONよりencodeもdecodeも少し速い かつ、streaming decodeができるので fetch() のresponseのde…

JavaScript libraryのREADMEにブラウザ互換性表バッジを表示することについての諸々

ブラウザ互換性表 (a.k.a. browser matrix) とは、こういうやつです。 ブラウザ互換性表 powered by Sauce Labs TypeScriptで MessagePack encoder/decoder を実装した - Islands in the byte stream で作った msgpack/msgpack-javascript にこのバッジをつ…

TypeScriptで MessagePack encoder/decoder を実装した

npm install @msgpack/msgpack でインスコできます。NodeJS v12 でベンチマークしたかぎり、JSONと同程度の速度で、これまで最速といわれてきた msgpack-lite よりもさらに少しだけ高速です。 github.com もともとこのリポジトリには uupaaさんによる実装(t…

エンジニアHubにTypeScriptの記事を書きました

employment.en-japan.com 「GraphQL」徹底入門 ─ RESTとの比較、API・フロント双方の実装から学ぶ に引き続き、TypeScriptの記事を書きました。 TypeScriptに苦手意識を持っている人に向けて再び触るきっかけを作りたいと考えて書いたので、細かい言語仕様に…

TypeScriptの型情報を利用したCustom Transformerの現状確認

TypeScriptのコンパイラ・プラグインとして振る舞いASTの操作を行えるcustom transformer (AST preprocessor) が実装されたのは TypeScript 2.4 (2017年) でした。 そのときの様子は次のエントリに非常によくまとまっています。 [TypeScript 2.4] custom tra…

Rails.application.credentials.foo は fetch(:foo) にすべき

表題のとおりで、fetch(...) はエントリが存在しないと例外を投げるため、エントリが存在しないときに nil を返すアクセサよりもtypoに対して安全です。 こういうのは rubocop-rails でカバーできるといいなと思って起票して、良さそうというコメントはもら…

SafariにはMediaQueryList.prototype.addEventListenerがない

ないと困るので、 polyfillをつくりました。MediaQueryList すら実体がないので、やむをえず mathMedia() を上書きしています。 // MediaQueryList.prototype.addEventListener.ts if (typeof matchMedia !== "undefined" && !matchMedia("all").addEventLis…

なぜTypeScriptに失望してしまうのか

追記: この件に関してエンジニアHubにもTypeScriptの記事を書きました: TypeScript再入門 ― 「がんばらないTypeScript」で、JavaScriptを“柔らかい”静的型付き言語に - エンジニアHub|Webエンジニアのキャリアを考える! TypeScriptに対する失望は2パターン…

エンジニアHubに『「GraphQL」徹底入門』という記事を寄稿しました

書きました*1。 employment.en-japan.com GraphQLという規格そのものについての解説が前半で、後半はRailsアプリのWeb APIをRESTful APIからGraphQL APIに書き換えるというハンズオンです。 GraphQLの特徴やら Swagger, gRPC, etc との比較はわりとよく見か…

potatotips #56 で 「OSS開発のリテラシー / Android編」という発表をしました

追記: 加筆修正してGitHub projectにしました: https://github.com/gfx/android-oss-best-practices paper.dropbox.com (potatotips #56 (iOS/Android開発Tips共有会) - connpass) 久しぶりのpotatotipsでのLTでした。 「OSS開発のリテラシー」は他の言語版…

apollo-boost はサンプルコード専用と思ったほうがよい

追記: Apollo Boost は Apollo Client に統合される見込みのようです。Apollo Client 3.0 Roadmap · Issue #33 · apollographql/apollo-feature-requests · GitHub TypeScript用のGraphQL clientであるところの Apollo ですが、これのGet Startedなどのドキ…

Reactをv16にアップグレードしたらuglifyjsの秘孔をついてハマった件

追記: Terser v3.10.11 でこの問題が修正されていることを確認しました。現在は collapse_vars: false というワークアラウンドは不要になりました。 webpackのproduction buildの話です。 Reactが悪いわけではないんですが、たまたま秘孔をつくコードがReact…

Code Review Meetup #4 で「歴史的経緯の説明 as code」という発表をしました

Sider社の開発する Querly を使うと「歴史的経緯の説明」をコード化できるよという話です。 Querlyの話は以前も書いたことがあります: プロジェクト固有のルールを指定できるLinterであるところのQuerlyがめちゃ便利 - Islands in the byte stream Querlyは…

特定のファイルに対して一定のテストカバレッジを保証する

ある特定のファイルのテストカバレッジが、ある特定のテストファイル(群)を実行したときに一定のカバレッジ率であることを保証したいと思うことはありますか?私はあります。 そこで、 次のような spec/coverage_helper.rb を用意して、 spec/rails_helper…

cmake-js があれば node-gyp に依存せず NodeJS native addon を作れそう

github.com cmake-js という cmake のラッパーを使うと、 node-gyp を使わずに NodeJS native addon を作れるみたいです。 node-gyp は Python 2.x に依存しているのが嫌なので、 node-gyp 依存をなくせるというだけで個人的にはけっこう嬉しかったりします…

プロジェクト固有のルールを指定できるLinterであるところのQuerlyがめちゃ便利

https://github.com/soutaro/querly Rubyを構文解析したASTに対して独自DSLでパターンマッチ&メッセージを出すツール プロジェクト固有の事情に配慮したLinterとして使える false positive 上等で注意喚起として使う たとえばKibelaの querly.yaml から一部…

「GraphQL APIだとバージョニングが不要」という言明は誤解を招くので避けるべき

1行で 「特定の場合でバージョニングしなくても対応できることはある」程度なので、「バージョニング不要」とは言わないほうがよい どういうことか RESTful API から GraphQL へ、GraphQL から別の Web API systemへ、ということを考えると大きな意味でのバ…

DX: Developer Experience (開発体験)は重要だ

DX: Developer Experience (開発体験)とは、あるシステムを「気持ちよく開発・保守できるかどうか」を示すもの 開発者は開発・保守という行為を通じたそのシステムのユーザーであり、DXはUXの一種である DXがよいと日々の開発を楽しめるようになり、気持ち…

TypeScriptの `ReadonlyArray<T>` を使いやすくするためにtslintを活用する

最近、Kibelaのtslint configの Rule: array-type を "generics" にしました: + "array-type": [ + true, + "generic" + ], 以前は特に指定しておらず、 T[] と Array<T> が混在してていて、それでよしとしていました。今でも、混在することによるデメリットは</t>…

graphql-rubyの知見をscrapboxにまとめはじめた

scrapbox.io graphql-ruby の知見をまとめはじめた。 / “GraphQL for Ruby” https://t.co/PqotLzAdtV— FUJI Goro (@__gfx__) 2018年6月10日 なんで graphql-ruby 限定かというと、graphql-ruby はいくつかの独自機能(e.g. complexityベースのAPI制限)があ…

React DOM elementsに focused プロパティがほしくなったとき

<input ref={(element) => this.input = element}/> しておいて this.input.focus() とか this.input.blur() とか呼び出すのはReact的ではないのでなんとかしたいものだなあ、と思って一旦こういう関数を作って運用してみることにしました。 // in TypeScript // This function emula…

yarn-deduplicate(1) で yarn.lock の重複エントリを最適化する

追記(2019/03/18): yarn-toolsからyarn-deduplicateが独立して使いやすくなり、 --strategy でdedupeの方法を選べるようになっています。タイトルも変更しました。 yarnpkg(1) を使って依存関係を管理しているとき、 yarnpkg upgrade-interactive は対話的に…

nodejsをリビルドすることなくIntl APIをfull-icu相当のデータで使う

追記(2019/08/23): https://github.com/nodejs/node/issues/19214 によると、将来的にはfull-icuビルドがデフォルトになりそうです。 gfx.hatenablog.com 上記エントリの続きです。 その後調べた結果、 full-icu というNPM moduleでfull-icu相当のデータをイ…

HTC U11 は安心して人におすすめできるシムフリーAndroid端末だ!

www.htc.com 発売日に買って2週間ほど使ってますが、非常に快適です。 ここ1年で Android Z4 ⇢ Huawei P9 Lite ⇢ HTC U11 と変えてきましたが、一番ストレスフリーかもしれないです。シムフリーだし*1、変なビルトインアプリはあまり入ってないし*2、指紋認…

NodeJSのIntlサポートを調べた

IntlというのはECMAScript Internationalization APIのこと ECMA-402 として標準化 Intl - JavaScript | MDN NodeJSでも利用可能だが、ビルドオプションによって様子が変わる NodeJSのICUサポートは none, system-icu, small-icu, full-icu というオプション…

発表資料: Elasticsearchによる 全文検索の実装

Rails Developers Meetup 2018 (#railsdm) で話した資料です。Railsの話はほとんどなくて、全文検索の仕組みとスコアリングについてのまとめが主です。 Q&Aシステムでの質問もここで回答します。 Q. データの同期はどうされていますか? 同期はActiveRecord…